初めてのヒッチ


 
 ょっと時代がさかのぼるが、「猿岩石」という芸人2人組がヒッチハイク旅行を行っていた。
それが「深夜特急」と同様にバックパック旅行を始めるきっかけになった人も多いことだろう。

 ッチハイクとは、ご存知と思うが「ただ乗りタクシー」と思っていただければよい。
手を挙げて、一般車を停める。
そして、彼らの都合の範囲内で目的地近くまで送ってもらう。

 の初めてのヒッチハイクは、リトアニアのシャウレイという町へ行ったときのことである。
シャウレイの町の郊外に「十字架の丘」と呼ばれる場所があり、
そこでは無数の十字架がかけられて、今でも人々の信仰の場として訪れる人を迎え入れる。
そこに私のロザリオを残したくて、訪れたのだ。
行きは、タクシーを使って行ったのだが帰りの値段交渉で折り合わず、
結局「もう帰ってくれ」ということになり、私は一人歩いてシャウレイを目指す事になった。

 ず十字架の丘から国道に出るまでに3キロほど歩いた。
なんせクリスマスイブの北ヨーロッパである。
雪こそ降ってはいなかったが、スキーウェアをまとっていた私は凍えそうな思いで歩いていた。
1時間ほど歩いて国道に出て、「シャウレイまで25キロ」っていう看板を見つけた。
冬のヨーロッパは日の入りがとても早い。
だから、私はバスを待っている暇などどこにもなかった。
バス停はあるものの、時刻表がないのだ。

 んな不確実要素満載の中、私はついに決心するに至った。
「ヒッチハイクをすればいいんだ」と。

 めはとても勇気がいるものだ。
変な人だったら…
どっかに連れて行かれたら…
法外な料金を要求されたら…

 かし、街まで歩ける距離じゃないのは明白なので、
勇気を振り絞り、手を高らかと挙げた。
そもそもこう通量も少ない道路なのである。
そして、全員が全員停まってくれるという保障もない。
しかし、幸運にも3台目の車が停まってくれた。

 に乗っていたのはおじいちゃんと男の子。
それを見た瞬間「よかった」と思った。
シャウレイまでの20分ほど、私はとても楽しかった。
言葉は通じないものの、ガイドブックに書いてある僅かな言葉で
交流を深める。
私の理解が正しければ、彼らはクリスマスを家族で祝うためにヴィリニュスへ行く途中だという。
そのパーティーに誘われたかどうかはもはや不明だが、
取り合えず駅まで乗せてもらって降りた。

 らが始めにドアをあけた瞬間、
私は今でも忘れない。

 れ以降、声をかけられ乗ることは多々あるのだが
自分からヒッチをお願いしたことは数回しかない。
 















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